
現代の食生活において、健康的な成長と発達のために重要な栄養素として注目を集めているDHAとEPA。自分の健康のためにはもちろん「子供の健やかな発育のために気にかけている」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
近年の研究により、DHAとEPAの摂取が、子供から大人まで幅広い年齢層の健康に大きな影響を与えることがわかってきました。
この記事ではDHAとEPAを摂取することで期待できる5つの効果について解説いたします。魚が苦手なお子様でも気軽にDHA・EPAを摂取する方法も合わせてご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。
DHA・EPAとは?
DHAとEPAは、オメガ3系脂肪酸(多価不飽和脂肪酸)の一種で、人体にとって必須の栄養素です。
DHAは主に脳や網膜の機能を活性化させたり、中性脂肪を低下させたりと、身体に良い効果をもたらすことで知られています。
一方、同じオメガ3系脂肪酸のEPAは、血液の流れをスムーズにする働きがあり、血液をサラサラにしたり動脈硬化を予防する効果、さらにコレステロール値を下げる効果などが期待されています。
DHAとEPAは、体内で作ることがほとんどできないため、食事を通して積極的に摂取する必要があります。
特に、DHAは胎児期から乳幼児期の脳の発達にも重要な役割を果たすことが明らかになっています。幼児期の脳内のDHA量は胎児期から2歳までの間に増え続けることが確認されております。
さらに、脳内のDHAが増加することで、脳の発達において不可欠な役割を果たす神経栄養因子(BDNF)を活性化することが期待できます。神経細胞の働きが活性化すれば、情報伝達がスムーズに行われ、学習能力・記憶力の向上に直結すると考えられます。
このように、DHA・EPAは、妊娠中のお母さんや授乳中の方、そして成長期のお子様にとって、特に重要な栄養素といえるでしょう。
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DHA・EPAの摂取目安量
DHA・EPAは、一度で大量に摂取するのではなく、毎日適量を摂取し続けることが推奨されています。
厚生労働省が定めた『日本人の食事摂取基準(2010年版)』によると、成人男性・成人女性の1日あたりのDHA・EPAの摂取基準量は1.0g以上が推奨されています。秋刀魚1尾やイワシ2尾、もしくはブリのお刺身4切れ程度を食べると、基準量を摂取することができるでしょう。
日本では子供向けの摂取基準量は定められていませんが、欧州食品安全機関(EFSA)によると、1日あたり乳児(7ヶ月〜24ヶ月)の摂取基準量は100mg、2~18歳は250mgとなっています。
なぜDHA・EPAが注目されているの?

近年、日本では便利な加工食品の増加や食生活の変化により「魚離れ」が進んでいます。水産庁の調査によれば、食用魚介類の年間消費量は、2001年をピークに減少傾向にあり、現在ではピーク時の半分程度の消費量にまで落ち込みました。
小骨が多く食べにくかったり、調理が面倒だったり、また価格高騰などが理由で魚料理が食卓にのぼる回数が減ったのが原因と考えられます。
特に子供の魚離れは、栄養バランスの偏りに繋がるため、保護者としては見過ごせない問題です。特にDHAとEPAは青魚に多く含まれるため、魚ばなれはDHAとEPA不足を招いてしまうでしょう。
また、スマートフォンやタブレットの普及により、子供たちの目の健康や集中力の低下が懸念されています。このような背景からも、脳の発達や目の健康に関わるDHA・EPAの重要性が、より一層注目されるようになってきました。
DHAとEPAがもたらす5つの効果とは?
最新の研究により、DHA・EPAには様々な健康効果があることが明らかになっています。特に注目すべき5つの効果について、詳しく見ていきましょう。 記憶力・集中力の向上
DHAは脳の細胞膜を構成する重要な成分として知られており、脳の神経細胞の情報伝達をスムーズにすることで、記憶力や学習能力の向上をサポートすることができると考えられています。
1例として8~9歳の子どもたちが魚を食べることで、記憶力や集中力がどう変化するか調べたデンマークの研究によると、体内のDHAとEPAの量が増えるほど、注意力や柔軟に考える力、認知能力スコアが向上することが確認されました。
成長期においても、DHAの十分な摂取は脳の発達に重要な役割を果たすと言えるでしょう。
血液サラサラ効果
EPAには血小板の凝集を抑制する作用があるため、血液をサラサラにする効果が期待できます。血行促進や冷え性の改善、疲労回復の促進効果にもつながるでしょう。
血管をしなやかにするEPAの摂取は、アルコールの摂取量が多い方やホルモンバランスの乱れが気になる方にも良い効果をもたらします。食生活が乱れがちな大人世代でも、EPAの摂取で高血圧や動脈硬化の予防・改善が期待できます。
心臓病予防とコレステロール改善
DHA・EPAには、血中の脂質バランスを整える効果があるため、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす効果も期待できます。動脈硬化の予防や心臓病リスクの低減にも効果があると研究結果がでており、予防医学の観点からも、推奨されている栄養素です。
目の健康維持
DHAは目の網膜の約50%構成する成分でもあります。アメリカで行われた研究によれば、DHAとEPAを多く含む食品を日常的に摂取することで、緑内障性視神経症のリスクが低いことも分かりました。
視力の維持や目の疲れの軽減、ブルーライトからの保護などの効果が期待できます。スマホやタブレットなど、デジタルデバイスの使用増加により、お子様の目の健康が心配な方にもオススメな栄養素といえるでしょう。
自律神経をととのえる
DHA・EPAには、自律神経のバランスを整える効果も。脳の神経伝達物質へはたらきかけ、ストレス軽減や緊張緩和が期待できます。
イギリスのオックスフォード大学で行われた7〜9歳の児童を対象とし1日600mgのDHAを摂取することでの変化をみた研究では、読解力が0.8ヶ月後に20%、1.9ヶ月後には50%向上したことが認められました。さらに、精神面では反抗性や多動性が減ったという報告も。
特に受験期のお子様や忙しい毎日を送る方々が、よりリラックスして過ごすためにも、自律神経をととのえることは重要です。
DHA・EPAを効果的に摂取する方法
毎日の食事でDHA・EPAを十分に摂取できれば理想的ですが、やはり毎日続けるのは難しいという方が多いでしょう。
そんな時におすすめなのが食事や飲み物にかけるだけで気軽にDHA・EPAを摂取できる栄養補助食品です。パウチで小分けされたオイル状の栄養補助食品なら、酸化による劣化も心配する必要ないため、気軽に毎日使用できます。
さらに魚が苦手なお子様でも、オイルならサラダや飲み物と一緒にDHA・EPAを摂取できるため、取り入れやすくなっています。
まとめ
DHA・EPAは、子供の健やかな成長から大人の健康維持まで、幅広い効果を持つ重要な栄養素のひとつです。毎日の食事で意識的に取り入れることはもちろん、必要に応じて栄養補助製品を活用することで、より効果的にDHA・EPAを摂取することができるでしょう。
家族みんなの健康のために、DHA・EPAの摂取を意識した食生活を心がけてみませんか?